アセットマネジメントOne

アセットマネジメントOne

アセットマネジメントOne株式会社(Asset Management One Co., Ltd.、略称:AM-One、アセマネOne)は、日本の主要な資産運用会社の一つであり、みずほフィナンシャルグループと第一生命ホールディングスが出資しています。2016年10月1日に、みずほグループ内の資産運用部門(みずほ投信投資顧問、みずほ信託銀行の運用部門、新光投信)および、みずほと第一生命が共同出資していたDIAMアセットマネジメントが統合して誕生しました。みずほグループが70%の出資と51%の議決権を、第一生命が30%の出資と49%の議決権を保有しています。

本社は東京・丸の内の鉄鋼ビルディングにあり、国内外に展開する資産運用会社として、アジア有数の規模と信頼を誇ります。

規模とフィールド

運用資産残高(AUM)は約4,670億米ドル(およそ69兆円)に上り、日本でも最大級の運用規模を誇ります。特に年金基金をはじめとする機関投資家からの委託運用が多く、政府年金を扱うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の委託先としても知られています。

投資戦略と商品ラインナップ

アセットマネジメントOneは、多様な投資対象と戦略を組み合わせた運用を行っており、以下のような商品やサービスを提供しています。

  • 株式・債券運用:国内外の株式、債券市場におけるアクティブ運用およびパッシブ運用を実施。
  • ETF(上場投資信託):Nikkei 225やTOPIXなどの株価指数に連動するETFをはじめ、東証上場型商品を提供。
  • クオンツファンド:数理モデルや統計解析を活用した定量的運用戦略。
  • オルタナティブ資産:不動産投資信託(REIT)、商品(コモディティ)、プライベート・エクイティなど、伝統資産以外への分散投資。
  • 国際商品(UCITSファンド):欧州規格であるUCITSに対応した国際投資信託の提供。

このような幅広いラインナップにより、個人投資家から機関投資家まで、多様な運用ニーズに応えられる体制を整えています。

グローバルな展開

東京本社に加え、海外にも主要拠点を持ち、国際的な運用サービスを提供しています。

  • ロンドン:欧州・中東・アフリカ地域向けの運用・営業拠点
  • ニューヨーク:米国市場向けの運用・営業拠点
  • シンガポール・香港:アジア市場に特化した営業・運用拠点

これらの拠点は、現地の市場環境や顧客ニーズに即した戦略を展開するための重要な役割を担っています。

ESG(環境・社会・ガバナンス)とステュワードシップ

アセットマネジメントOneは、責任ある投資の実現に向けてESG要素を積極的に取り入れています。投資先企業の環境対応、社会的責任、ガバナンス体制を評価に組み込み、長期的な企業価値の向上を目指しています。

また、議決権行使については「責任投資委員会」を設け、利益相反を避けつつ、重要議案に対して明確な基準とプロセスに基づいて判断を行っています。企業との対話(エンゲージメント)にも力を入れ、経営改善や持続可能性向上のための提案を行うことも特徴です。

最近の注目動向

近年、アセットマネジメントOneは日本株の運用にも注力しており、大型株ファンドを通じて数千億円規模の資金調達を目指す動きが見られます。これは、国内外の投資家が日本市場への投資意欲を高めている背景を受けた戦略であり、同社の運用ノウハウと市場分析力を活かしたものです。

また、気候変動リスクやカーボンニュートラルへの対応といったテーマ型投資商品の開発にも力を入れており、ESGを前面に押し出したファンドシリーズの拡充も進めています。

まとめ:AM-Oneの特色と存在意義

特徴内容
統合による規模の拡大複数の運用会社を統合し、国内トップクラスの資産規模を実現。
幅広い運用分野株式、債券、ETF、オルタナティブ、国際商品など多様な商品を提供。
国際ネットワーク東京、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港に拠点を展開。
責任投資の推進ESG要素を運用に統合し、持続可能な成長を目指す。
市場動向への即応日本株やテーマ型ファンドなど、時流を捉えた商品開発。

アセットマネジメントOneは、規模、運用力、国際性、そして責任投資への姿勢を兼ね備えた総合資産運用会社です。その存在は、日本国内にとどまらず、グローバル投資市場においても重要なプレーヤーの一角を占めています。